日々読み続けるyutorisutoのひとりごと


by yutorisuto
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「 天皇の船 」 麻野 涼著 2000.10.20 ㈱文藝春秋



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終戦後、ブラジルの日本人移民社会では太平洋戦争の結果について日本人移民社会を「勝ち組」「負け組」に二分して、日本が勝った、負けたと真剣な争いが起きた。
その頃架空の宮家を名乗った詐欺を働き、荒稼ぎをする輩も出現した。
時は流れ1988年、日本とブラジルで起きた二つの殺人事件を追う男女の日系人ジャーナリスト
によって謎がとかれてゆく。

著者はフリーライターで、ブラジルを中心とする日本人移民史・現代史をライフワークにするというだけあって、ブラジル日系社会の現状がよくわかる作品に仕上がっている。
ブラジル・ワールドカップ開催の機会にブラジルと日本の昔の関わりを考えるのも面白いと思う。




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「 ブラジルに 日系移民の 苦労あり 」





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# by yutorisuto | 2014-06-24 13:15 | 小説
「 黒衣の宰相 」 火坂雅志著 2004.8.10 文春文庫


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禅僧(京都南禅寺住職)でありながら、徳川家康の側近として、豊臣家滅亡の引き金をひいた「方広寺鐘銘事件」を画策し、「武家諸法度」「禁中並公家諸法度」などを起草し、江戸幕府300年の礎を気付いた「金地院崇伝」の一代記である。

天下の悪僧と言われながら、自分の生き方を貫いた「崇伝」には何か惹かれるものがあり、時代物の得意な著者の筆力もあって結構分厚い文庫本であるが、一気に読ませる面白さがある。
「秀吉」や「家康」などとの交わりも興味深いし、同じ時代に活躍した、僧侶どうしの「天海和尚」や「沢庵和尚」とのかかわりも、なかなか人間味が出ていて面白い。

優れた時代物であると思う。





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「 悪僧も それほど心は 悪くない 」




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# by yutorisuto | 2014-06-20 13:36 | 時代小説

『 政官攻防史 』

「 政官攻防史 」 金子仁洋著 1999.2.20 文春新書


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明治以来、日本の統治は「政」と「官」の攻防の歴史であった。
「官」から飛び出し「政」による統治をめざした「板垣退助」「大隈重信」と「官」の代表としての軍人「山縣有朋」との戦いから始まって、55年体制で自民党が官僚と手を組み「政官複合体」を形成して長期政権を謳歌するまでの血みどろの歴史を1冊にまとめたもの。

高等教育を受け、「高文」試験に合格した天皇の官吏たる高級官僚が「勅任官」として無知蒙昧たる国民とその代表たる政治家を指導し、統治をおこなうのが日本の政治の形であり、官僚国家国家・日本のあるべき姿であるようである。「政」はこれに挑戦し、敗れ続けてきた。
今もその形が続いている。

現在の官僚支配の実態を知るためにも、過去の歴史を学んでおくべきであり、そのテキストとしてお勧めの1冊といえよう。




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「 官僚は 悪智恵めぐらす 天才か? 」




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# by yutorisuto | 2014-06-16 11:37 | 政治・社会
「 ジェノサイド(上下) 」 高野和明著 2013.12.25 角川文庫


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この作品は2010.4~2011.4に連載され、2011.3、単行本発行を経て文庫化されたもの。
「山田風太郎賞」や「日本推理作家協会賞」を受賞したヒット作品である。

物語は最初、アフリカ中部、コンゴからの傭兵たちの脱出劇、日本での公安機関に追われながらの大学院生の不治の病を治す奇蹟の薬作り、アメリカ・ワシントンDCでの大統領を中心とした政治の世界の陰謀の三つがその脈絡が分からないまま、同時並行で動き出す。

やがてその流れは、現人類よりはるかに高度の知能を持つ新しい人類の生存を守るという目的に収れんされていくことになるのだが、現人類の持つ、知性や善意とその残虐さを絡ませながら、大きなスケールで物語を進行させる作者の力がエンターテーメント性豊かな作品に仕上がっている。

一部、創薬の化学の表現など、訳の分からない(私には理解できないということ)部分もあるが、一気に読ませる大変面白い作品である。




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「 人類を 超える知能は 恐ろしい 」





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# by yutorisuto | 2014-06-10 13:49 | 小説
「 四日間の奇蹟 」 浅倉卓弥著 2003.1.22 株式会社宝島社




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宝島社などが主催する「このミステリーがすごい!」大賞の第1回(2002年)受賞作品。
(余談だが、賞金は1200万円だそうだ)

内容は若いピアニストが留学先のオーストリアで、両親を強盗に殺された幼児を助けるて逃げるが、その際銃弾で左手薬指を失う。
ピアニストとしては致命的だ。幼児を連れ帰り、両親とともに育て、8年後少女は15歳になっているが、先天的に能の一部に欠損があり、言葉もうまくしゃべれないが、ピアノ演奏には才能があり、演奏会に呼ばれて、2人で出かける生活をしている。
そんなある日、呼ばれた先で少女とその施設の女子職員がヘリコプターの墜落事故に巻き込まれ、女子署員は重傷を負い、生死の境をさまよう。女性の「心」が少女の身体に乗り移って、生死の境をさまよう身体から4日間だけの自由を与えられた「心」を描いた先品。

文章がしっかりしているので、読みやすく、一気に読ませてホロリとさせる、お勧め作品で
ある。




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「 4日間 たった4日の 命を生きる 」





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# by yutorisuto | 2014-06-03 13:39 | 小説