日々読み続けるyutorisutoのひとりごと


by yutorisuto
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「キレイゴトぬきの農業論」久松 達夫著 2013.9.20 新潮新書

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29歳で農業へ転身した著者は年間50品目以上の有機野菜を栽培し、会員と東京都内の飲食店に直接販売する。
うまい野菜の条件としては①時期(旬)②品種③鮮度だと考えている。
日本の能雹に関する議論は誤解に基づき、神話に満ちている。誤解1.有機農法なら安全で美味しい
2.農家は清貧な弱者である。3.農業には体力が必要である。

安全と安心は違うと説く著者は、「有機だから安全」はウソだという。
どの程度安全かといえば、適正に農薬を使った普通の農作物と同程度に安全であるそうだ。「有機だからうまい」というのも神話に過ぎない。
安全は客観的なものであり、安心は主観的なもので、別な概念である。

斜陽といわれて久しい日本の農業だが、「人と土地の流動化」によって自由な競争環境を作れば新規参入や新しい取り組みが増え農業はもっと強くなると本書は説いている。
「こんな面白い農業なのに、どうしてみんなやらないのだろう」久松農園の女性農場長のセリフである。
彼女は農業キャリア1年半の小柄でかわいらしい女性だそうである。

著者は「エロうまい野菜」作りを目指しているそうである。
その心は本を読んでください。



本の森カフェ・読後川柳
「 エロうまい 野菜は作る 好き嫌い 」





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# by yutorisuto | 2014-08-15 15:29
「インパラの朝」(ユーラシア・アフリカ大陸684日)中村安希著 2009.11.18 ㈱集英社



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第7回開高健ノンフィクション賞受賞作。
26歳のうら若き女性が3年間働いて貯めた160万円を用意して2年間47カ国をめぐる旅にでる。行く手は貧困と紛争、汚染や疫病、腐敗した政治とテロ、「危ない」世界である。本書の章の切れ目ごとに地図上に行程をなぞってあるが、とてつもない旅程である。
文字通り、危険と背中合わせの無鉄砲さである。よくこんな旅ができたものだと感心させられる。しかも言葉も通じない、人々の間に入っても心を通じ合って前へ進んでいく。
そのほとんどは貧しい地域、人々である。先進国、富裕国からの身勝手な国際援助やボランチィアの在り方にも疑問を感じ、単なるお金や物のやり取りではない人々との心のふれあいの大切さを感じ、訴えている部分が読む者の心にしみこんでくる。

ケニアの草原で、朝日を身体いっぱいに受けて一人、すっくとたたずむ気高く、誇り高いたたずまいのインパラにアフリカ人の誇りを象徴的にみている。
、インパラはアフリカのサバンナに生息するカモシカに似た動物で、走る時は走行速度は時速60キロメートルに達し、跳躍は高さ3メートル、幅10メートルに達する。

帯カバーに作者の写真があるが、きりっとした、なかなかの美人である。





本の森カフェ・読後川柳
「 朝日浴び 貧しさ蹴飛ばす 誇りかな 」





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# by yutorisuto | 2014-07-31 15:26
「アトランティス殲滅計画を阻め!(上下)」アンディ・マクダーモット著 2012.9.25 ソフトバンク文庫


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1974年イギリス生まれの冒険小説のホープのデビュー作。
アトランティスは欧米の冒険小説界ではもっともポピュラーなテーマであり、誰もが知っている伝説、さまざまな可能性が想像されつくした題材をデビュー作に選んだ作者の意気に拍手を送りたい。

アトランティスといえば太平洋か太平洋の海底に沈んでいるイメージがあるが、この小説の主人公、アメリカ人の若い女性考古学者が駆け巡る舞台はイランの砂漠、ブラジル・アマゾンの奥地やヒマラヤの山中、ジブラルタ海峡近くの海底など、その広がりに驚かされる。

内容は恋と冒険のオンパレードで、荒唐無稽に感じられるかもしれないが、そんなことにはお構いなしに我々を引っぱりまわしてくれる。

読者としては引っぱられてついていくしかない。




本の森カフェ・読後川柳
「 太古から 眠る遺跡も 目をさます 」







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# by yutorisuto | 2014-07-16 14:06 | 小説
「 背負い富士 」 山本一力著 2009.2.10 文春文庫



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「旅行けば 駿河の国は茶の香り・・・・」ご存知「広沢虎造」の浪花節の歌いだしである。

「清水の次郎長」は「国定忠治」とともに、かっては講談・浪曲・映画・演劇の世界の大ヒーローである。
特に次郎長は「さあ来いと富士を背中に背負って立つ、男の中の男一匹」「街道一の大親分」であり、多くの人の記憶の中には、大政・小政や森の石松に囲まれた大親分の姿が残っていると思うのですが、この本では明治26年まで生きた次郎長を見送った幼馴染の「音吉」の語る少年のころからの次郎長像が珍しい。

時代物・人情ものに優れた著者の語り口はよどみなく、読みやすく面白い作品に仕上がって
おり「次郎長」をあまり知らない若い人にも是非読んでほしいと思う。





本の森カフェ・読後川柳
「 茶の香り すれば口から 浪花節 」




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# by yutorisuto | 2014-07-04 12:50 | 時代小説
「 松籟の如し(異能の商人 岩田孝八) 」 猪飼聖紀著 1988.11.20 ㈱四海書房



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終戦直後の昭和21年神奈川県平塚の駅前の焼け跡で「かき氷や」からスタートして「スーパー長崎屋」やコンビニの「サンクス」などんぽ一大流通チェーンを作り上げた創業者の一代記である。

松籟とは松林の中を吹く風の音のことであり、ひたすら本音を貫きとおした硬骨の商人・岩田の生きざまを表現したものであるが、その岩田は旧制高校受験に失敗し、失意のうちに応召した軍隊では、悪夢のような悲惨な体験もしており、厳しくはあるが、人間味のある彼の生き方のもととなっているようだ。

成功者の出世物語ではあるが、それだけではない魅力ある一代記となっている。
それにしても、やっぱり軍隊はいやだよね!





本の森カフェ・読後川柳
「 湘南の 風は松籟 厳しけり 」







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# by yutorisuto | 2014-06-26 13:28 | 自伝