日々読み続けるyutorisutoのひとりごと


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「長岡藩軍事総督 河合継之助」 星 亮一 著 2005.1.1 ベスト新書


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副題に「武士道に生きた最後のサムライ」とある。越後長岡藩(牧野氏)は7万4千石、小藩であるが、家訓の第1条に「常在戦場」の4文字を掲げる武勇の気風の徳川譜代の藩である。

中老、河合継之助は武装中立を唱え、薩長と会津藩を仲立ちしようと薩長軍に赴くが、小藩と侮られて、相手にされず武士の意地で薩長軍に立ち向かうことになる。
一時は長州奇兵隊をも蹴散らして長岡城を奪回するが、やがて官軍の大軍に敗れ去り、長岡藩は滅ぶ。
しかしながら多勢の官軍を相手に立ち向かい、あの明治政府の元勲「山形有朋」の会津への進軍を遅らせた
河合継之助の武勇は越後・長岡の英雄と敵味方双方からたたえられ、今日まで名を残している。

新書版で読みやすく、歴史好きには結構面白い一代記になっている。






本の森カフェ・読後川柳
「 馬鹿にした 薩長軍は 痛い目に 」






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by yutorisuto | 2014-03-26 15:44
「大阪でごわす(明治商都物語)」 島 実蔵 著 2001.3.5 ㈱時事通信社



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江戸時代、「天下の台所」大坂は町民の町として栄えた。
江戸が100万人のうち半分が武士だったのに対して、大坂は42万人のうち幕府直轄地にも関わらず武士は1000人足らずであった。
規制や権力の対極にある自由な経済を謳歌する商人の町であった。
勤皇の志士や官軍への御用金など維新政府の出発は大坂の金で賄われたといってもよいくらいであったが、明治維新の中央集権化が、大坂の経済力を奪い、活力を奪ってしまった。明治元年の人口は28万人にまで減少してしまったという。

維新の志士であった「五大友厚」は薩摩の出身であったにも関わらず、藩閥政治に反発し、日本のため、大阪のために、米商会所、株式取引所、大阪商法会議所などを創設し、古いしきたりや権力に立ち向かい町民のために「薩摩弁の浪花商人」として活躍する。

大阪にとっては忘れてはならない恩人であり、その名を忘れないためにも一読してほしい読物である。





本の森カフェ・読後川柳
「 恩人を 忘れりゃ町に 栄えなし 」





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by yutorisuto | 2014-03-19 12:48 | 小説
「 ジャパンクールと江戸文化 」奥野卓司 著 2007.6.株岩波書店


いま世界を席巻しているジャパンクール。マンガ、アニメ、ゲーム・・・・

なかでもMANGAそのまま国際語として通用するという。
世界中の若者を中心にクールだとして受け入れられている。
かって欧米ではお茶、お華、能、歌舞伎、文楽、浮世絵などの江戸文化が日本文化として一部の文化人などに高く評価されてきた。

いまマンガ等を通じてこれら江戸文化を含めた日本文化が一体としてジャパンクールと評価されているようだ。
ジャパンクールとは、国家や貴族の庇護に頼らず、町民の文化力に支えられてきたクールな江戸文化の流れの今日的な表現である。それはワビ、サビ、イキ、スイなどに加えて現代のアニメの「萌え」につながる美意識によって創造されたコンテンツであると著者は説く。

確かに江戸時代の歌舞伎や人形浄瑠璃は権力にとらわれない庶民の自由な生きざまを表しているようだし、ある意味、精神的な豊かな世界を示しているようです。

いま私たちは、世界のジャパンクールを評価する若者たちとともに、江戸時代の精神的な豊かさを振りかえってみるときではないでしょうか?


経済的な成長を追い求めるだけではなく・・・・・・





本の森カフェ・読後川柳
「 江戸時代 心豊かに 歌舞伎見る 」






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by yutorisuto | 2014-03-12 12:40 | 政治・社会
「 財務省 」榊原英資 著 2012.6.新潮新書



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歴代の政権をコントロールし、省庁の中の省庁といわれ霞が関に君臨する財務省は巨悪なのか、「ミスター円」と呼ばれた元大蔵省財務官の榊原英資氏のどちらかといえば「財務省肯定論」といえるでしょうか?

著者は財務官僚がどのように政治とかかわり、国を動かしているか、特に庶民からは見えないトップクラスの人事に絡めて、その実態を解き明かしている。

その意味では興味深い本ではあるが、著者はやっぱり元高級官僚であり、その視点からの見方であるのは、少々気になる。

たとえばトップクラスの天下りやわたりについて述べられているが、当然のこととして書かれていて、そこには批判はない。

また「日本の公務員の数は他の先進国に比べて圧倒的に少なく、かつ全公務員に支払われる給与総額はGDPの6%と先進国では最低」といった表現があるが、これは特殊法人の存在や高額所得者であるキャリア官僚の給与待遇を総額の中に隠して、ごまかしているようにも思える。




本の森カフェ・読後川柳
「 官僚が 偉い日本は 良い国か 」






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by yutorisuto | 2014-03-04 13:23 | 経済

「 一茶 」 藤沢周平 著 2009.4.文春文庫


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「痩蛙 まけるな 一茶 是にあり」

「やれ打つな 蠅が手を摺り 足をする」

一茶といえば善良な目を持ち、小動物にも優しい心配りを忘れない好々爺の俳人というイメージが強いのですが、著者は江戸時代の底辺を生きた俳諧師の複雑な顔を描き切っている。

信濃の貧しい農家に生まれ、長男ながら継母との折り合いが悪く、おさなくして江戸に奉公に出される。
奉公先を飛び出した後は、生業につくことなく、俳諧という世界に飛び込み、江戸では一人前とは認められず、地方の富裕層に寄生するように何とか生計の道としていた。
あきらめて故郷へかえり、義弟との遺産争いでは、あくどい手段を使ってまでも遺産の半分を取り上げ、落ち着くことになる。

一茶は「あるときは欲望をむき出しにして恥じない俗物であり、貧しくあわれな暮らしも、
句の中で誇張して見せ、自分のみにくさをかばう自己弁護もわすれないしたたかな人間」であった。
だが「その彼は、またまぎれもない詩人」だったのである。

生涯に2万句を詠んだといわれる一茶の俗物ぶりと非凡な俳人ぶりをみて、「松尾芭蕉」の自然に溶け込んだ世界とは全く異なる「一茶」の世界もまた俳句なんだと、私たちに教えてくれる小説である。


本の森カフェ・読後川柳
「 俗物の 一茶負けるな 応援す  」






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by yutorisuto | 2014-03-01 14:57 | 歴史・経済小説