日々読み続けるyutorisutoのひとりごと


by yutorisuto
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「デッドライン」 建倉 圭介著 2006.7.30 ㈱角川書店



久し振りに面白い小説に出会ったという感じがする。
太平洋戦争の末期、欧州戦線の日本人部隊で戦い、傷を負って帰米した日系アメリカ人の
命からがらの日本への脱出の冒険物語。


ふとしたことから、「原子爆弾」の製造・完成の機密を知ってしまった彼は、自分の子供を
夫やその父母によって、日本に連れ去らた混血の女性を伴って、日本に原爆完成の事実を
知らせて、一刻も早く降伏するよう伝えるための脱出行をアラスカからスタートする。

秘密を守ろうとする米軍の追跡をやっと振り切りたどりついたのが、南樺太。その当時日本領
であったが、スパイと疑われ日本軍に拷問されたりの難の末、当時の米内海軍大臣に情報を
伝えることに成功するが、当時の日本では、即降伏とはならず、本人は広島で原爆によって
殺されてしまう。

広島と長崎には間に合わなかったが、その他の都市に投下されることは防げたのである。

「いくらなんでも、それは無理やろ~」という部分も多少あるが、冒険小説としてはハラハラ
ドキドキで、良くできた小説である。




本の森カフェ・読後川柳
「 怖いのは 原爆よりも 人のこころ 」





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by yutorisuto | 2013-09-21 15:34 | 原発問題
「利益相反」 牛島 信著 2010.5.30 朝日新聞出版


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上場企業のワンマン・オーナー社長と、陰で社長を支え、NO2に上り詰めた側近と
顧問弁護士の絡み合う企業小説。

この著者は現役の弁護士で、そのデビュー作品の「株主総会」は専門知識を十分に生かし、
鮮烈に企業社会を切り裂いて、ベストセラーになった。

この作品では、絡み合う3人の独白部分が多く、テンポが冗長で、切れ味が良くない。
ましてや、顧問弁護士が、オーナー社長の実子であったとかどうとかは、ビジネス小説では
受け入れがたい設定ではないかと思われる。




本の森カフェ・読後川柳
「 成功者 まわりは殆ど 不幸せ 」




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by yutorisuto | 2013-09-10 14:58 | 小説
「エンドレス・ワールド」 佐伯 紅緒著 2006.9.15 (株)世界文化社


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派遣社員のOLが職場で、不正経理に絡むお家騒動に巻き込まれる、友情と冒険と恋愛が
たっぷりと盛り込まれた新しい雰囲気のビジネス小説である。

まず派遣のOLたちが主人公であるという点からして、私には新鮮であった。派遣社員の
悲哀というイメージを刷り込まれている頭には、この格品の派遣社員たちの、のびやかで、
物おじしない仕事へのかかわりに、むしろ驚きがあった。派遣という仕事のあり方を巡って
新しいタイプのビジネスウーアンが繁殖してきているのかも知れない。

それはともかく、お家騒動を解決して会社を去っていく彼女が実は、かよわい女性なんかでは
なく、結構お金持ちの優雅な生活社であったという落ちも明るさを感じさせて、楽しい。




本の森カフェ・読後川柳

「 派遣でも 家へ帰れば お金持ち 」









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by yutorisuto | 2013-09-05 13:25 | 小説
「変(change)」 莫言(mo yan)著 2013.3.5(株)明石書店


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著者の莫言は、1955年生まれで、2012年、中国籍の作家として初めてノーベル賞を受賞した。
この先品は、文化大革命、毛沢東の死、天安門事件を経て、改革開放の時代へと生きてきた
彼の自伝的な小説。

立国後間もない貧しい共産中国が市場経済へとものすごいスピードで移り変わる社会を、主人公(莫言自身)の周りの変化を描くことで、象徴的に描いた小編である。

私自身、中国の作家のものはどちらかと言うと、敬遠してきたが
ノーベル賞作家の自伝ということで、読んでみたが、理屈っぽいところもなく非常に読みやすいのであるが、身近な出来事を見ながら、歴史を駆け抜けるような面白さを感じる作品である。



本の森カフェ・読後川柳
「 変化する 国も自身も またたく間 」




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by yutorisuto | 2013-09-03 14:25