日々読み続けるyutorisutoのひとりごと


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カテゴリ:政治・社会( 14 )

「人口減少社会という希望」 広井良典 著 2013.4.25 朝日新聞出版



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日本の人口は2004年に1億2784万人でピークに達し
2050年には1億人を割って9515万人になる「国立社会保障・人口問題研究所)と予想されている。

イギリスの雑誌「エコノミスト」は2010年11月の日本特集号で
「日本症候群」というキーワードとともに日本の抱える問題の本質は「高齢化」と「人口減少」にあり、
その克服は日本だけの問題ではなく、追いかけて同じ問題に直面することと泣く世界各国が注目する課題であるという主旨の議論が展開されていたという。

この著者は社会保障や環境・医療・福祉・都市・地域に関する政策研究から
時間・ケア・死生観をめぐる哲学的考察まで幅広い活動を行っており、著書も多い。

著者によればここ数年、多少の希望的観測を含むが、日本社会の空気がわずかではあるが、
「緩やかに」「ゆったり」してきているのを感じるという。
それは「拡大・成長」の強いベクトルとその圧力の下で一本道の坂道をひたすら登り続けてきた
明治維新以来の日本社会のありようを成熟あるいは定常化の時代への構造変化の兆しであると感じているようだ。

東京を中心とする都市集中型にシステムから「高齢化」と「人口減少」社会だからこそ、
ローカルなコミュニケーション、ローカルな循環型の生産システムへの方向転換が可能ではないか、と希望を感じているようだ。
確かに今こそ「経済成長への脅迫観念」から開放されて、一人ひとりの創造の時代へと再出発すべきときではないのかと気づかせてくれる一冊のように思える。

車の通行を排除し、年寄りたちがゆったりと歩くヨーロッパの古い街のイメージか?




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「 人ゆったり 歩く街にこぞ 未来あり 」




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by yutorisuto | 2015-05-26 14:35 | 政治・社会
「国境のインテリジェンス」 佐藤 優 著 2013.3.31 株式会社徳間書店



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茶者の「佐藤 優」はかって(2002年)「ムネオハウス」と揶揄された
[鈴木宗男」に連座して背任罪に問われ、700日を超える常識外れの拘留期間を経て
2009年最高裁の上告棄却で判決が確定するまでの間、「国策捜査」(?)と戦った元外務省のノンキャリア官僚。

その後は創作・言論活動によって政治と外交の分野で
鋭い官僚体制批判を繰り広げている国際問題に関する気鋭の評論家・批評家である。

氏によれば
「国家公務員試験や司法試験」に合格して採用された官僚は、世界で自分たちが一番頭がいいと勘違いしている人々によって構成されている。
日本の官僚採用システムは、典型的な後進国スタイルだ。

明治維新以来、近代化を急いだために、とにかく記憶力がよい若者を集め促成栽培した。
これらの難関といわれる試験に合格するためには教科書(基本書)を2,3冊読んで、その内容を正確に記憶すればよい(必ずしも理解する必要はない)。
そして、その後は耳学問と経験を積んでいけば、国家運営できるというのが官僚の発想だ。

こんな不勉強な官僚と官僚に操縦される政治家が担う国際問題と外交は、間違いだらけで日本の
国益を損なうばかりである。

本書ではそのような危うい日本の外交に関する問題点を具体的な問題ごとにあぶり出し、
解決策を示している。

今、日本の外交に関する諸問題についての解決策を具体的に提示できる言論人の一人であることには間違いない。

佐藤 優 
佐藤 優 


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「 外交を 任せておけぬ 外務省 」



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by yutorisuto | 2015-04-28 14:59 | 政治・社会

『 政官攻防史 』

「 政官攻防史 」 金子仁洋著 1999.2.20 文春新書


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明治以来、日本の統治は「政」と「官」の攻防の歴史であった。
「官」から飛び出し「政」による統治をめざした「板垣退助」「大隈重信」と「官」の代表としての軍人「山縣有朋」との戦いから始まって、55年体制で自民党が官僚と手を組み「政官複合体」を形成して長期政権を謳歌するまでの血みどろの歴史を1冊にまとめたもの。

高等教育を受け、「高文」試験に合格した天皇の官吏たる高級官僚が「勅任官」として無知蒙昧たる国民とその代表たる政治家を指導し、統治をおこなうのが日本の政治の形であり、官僚国家国家・日本のあるべき姿であるようである。「政」はこれに挑戦し、敗れ続けてきた。
今もその形が続いている。

現在の官僚支配の実態を知るためにも、過去の歴史を学んでおくべきであり、そのテキストとしてお勧めの1冊といえよう。




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「 官僚は 悪智恵めぐらす 天才か? 」




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by yutorisuto | 2014-06-16 11:37 | 政治・社会
「(近くて遠い国)でいい、日本と韓国」 渡部昇一・呉善花著 2013.4.30 WAC文庫


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最近どうも「反中」「反韓」をテーマにした本の出版が多く、結構売れているようだ。
これは中国、韓国の政府の「反日」政策に刺激され、触発された結果、「反中」「反韓」をテーマに
出せば売れる、売れるから内容がエスカレートするというマイナスのスパイラルに入りこんでしまっているようである。

この本は「日本の驕慢 韓国の傲慢」(1993年)と「韓国の激情 日本の無情」(1996年)を
再編集したものだということで、まさにブームに乗ってリメイクしたもののようだ。
対談形式をとっているが、渡部昇一氏は国粋主義的な発信の多い文明評論家であり、呉善花氏は在日韓国人だが反韓的な言動から、昨年だったか韓国へ里帰りしようとして入国拒否された経歴を持つ。

この二人の共著であるから内容は容易に想像がつくが、たとえば「韓国が変わるかどうかということを近代的精神の面からみるとすれば、その目安は若い人がアルバイトで簡単に食えるかどうかというところにあると思います。とくに女性がね。そうなればそれこそ全部変わりますよ」なんていう意味不明の発言があったりして理解に苦しむ。

こじれた国民感情をほぐすには、長い時間が必要だと思うので「近くて遠い国」であってもいいが、お互いに上から目線、優越意識でのみ相手を見ることは厳に慎みたいものですよね!



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「 優越感 その裏にある 劣等感 」




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by yutorisuto | 2014-05-16 13:17 | 政治・社会
「 ジャパンクールと江戸文化 」奥野卓司 著 2007.6.株岩波書店


いま世界を席巻しているジャパンクール。マンガ、アニメ、ゲーム・・・・

なかでもMANGAそのまま国際語として通用するという。
世界中の若者を中心にクールだとして受け入れられている。
かって欧米ではお茶、お華、能、歌舞伎、文楽、浮世絵などの江戸文化が日本文化として一部の文化人などに高く評価されてきた。

いまマンガ等を通じてこれら江戸文化を含めた日本文化が一体としてジャパンクールと評価されているようだ。
ジャパンクールとは、国家や貴族の庇護に頼らず、町民の文化力に支えられてきたクールな江戸文化の流れの今日的な表現である。それはワビ、サビ、イキ、スイなどに加えて現代のアニメの「萌え」につながる美意識によって創造されたコンテンツであると著者は説く。

確かに江戸時代の歌舞伎や人形浄瑠璃は権力にとらわれない庶民の自由な生きざまを表しているようだし、ある意味、精神的な豊かな世界を示しているようです。

いま私たちは、世界のジャパンクールを評価する若者たちとともに、江戸時代の精神的な豊かさを振りかえってみるときではないでしょうか?


経済的な成長を追い求めるだけではなく・・・・・・





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「 江戸時代 心豊かに 歌舞伎見る 」






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by yutorisuto | 2014-03-12 12:40 | 政治・社会
「 韓国 反日感情の正体 」黒田 勝弘 著 2013.6.10 ㈱角川学芸出版



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韓国在住30年以上のジャーナリストによる「韓国反日事情」である。

「昼は反日 夜は親日」とも言われる韓国国民の愛憎半ばする複雑な対日感情を読み解いた
もので、「竹島(独島)」と「従軍慰安婦」に揺れ、複雑に絡み合った日韓関係を韓国の側の
諸事情を伝えてくれている。

韓国では、スポーツの場で国民が一つになるように、反日はいつも国民を一つにさせる。
「反日の効用」は依然大きい。

一方の日本では、一時からは少し醒めているようだが、依然として韓流ブームは健在だし、
もちろん一部には、過去を引きずった嫌韓ムードもあるし、ときどき「橋下 徹」のように、不規則発言が飛び出すこともある。がしかし、一般的には韓国側からのような熱はない。

日本人は「自虐史観」にとらわれる必要はないにしても、歴史の事実をわが身に置きかえれば
韓国人の心理は痛いようにわかるはずだし、日本の側からの大人の対応が必要だと、私たちの知らない(マスコミが報じない)いろんな事象から、教示してくれる著作である。

若い人には是非、一読してほしいと思います。





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「 日韓は もとは同根 わかり合おう 」






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by yutorisuto | 2014-01-23 13:02 | 政治・社会
「中国人エリートは日本人をこう見る」 中島 恵著 2012.5.8 日本経済新聞出版社




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日本の世論調査で中国嫌いが増加している。
特に「尖閣列島」の国有化とそれに反発して暴徒と化した反日デの後、顕著なようである。
2011年12月の内閣府の調査では、71.4%もが「親しみを感じない」「どちらかというと感じない」と答えている。

中国13億の中国には4億人近い80后(1980年代生まれ)や90后(90年若者代生まれ)の若者ががいるが、そのうちの中国で大学教育を受け、日本や海外に関心の高いエリート層に属し、中国の将来を担う若手エリート約100人にヒアリングしてまとめたレポートが本書。

1990年代半ばに「江 沢民」政権が強化した「愛国教育」を受けた若者たちは愛国=反日を
正義としてとらえ、反日デモでは「愛国無罪」を全面に掲げてきた世代でもある。
とりわけこの若者たちが激高しやすく「愛国教育」のせいで反日意識が強いと日本のメディアでは伝えられているが、少なくともエリート層については少し違うと、この著者はいう。

領土問題では複雑な面もあるが、それ以外では彼らは思いのほか日本と日本人に好意的であり、[政冷経熱]の張本人「小泉純一郎」元総理でさえ人気があるという。

私たちは一部の中国嫌いのマスコミや評論家の言説に惑わされて、冷静な判断力を失うことのないよう、この本には築かされる。




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「 隣人と 仲良くするのは 難しい?  」







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by yutorisuto | 2013-12-17 14:04 | 政治・社会
「常識」としての保守主義」 櫻田 淳 著2012.1.20  新潮新書


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保守主義とは何か、頑迷に旧いものを守る思想ではない。
伝統を尊びつつも、柔軟に新しいものを取り入れ、中庸を美徳とする姿勢である。

こんな観点から、その本質を成立の歴史や、
「シャルル・ド・ゴール」「ウインストン・チャーチル」「ロナルド・レーガン」「吉田茂」「コンラート・アデナウアー」等の代表的保守政治家の
事績から学び、今の混迷する政治の状況を考える視点を提供するための書である。

保守主義という政治思想は、「保守主義者=右翼=タカ派=好戦的」と「進歩主義者=左翼=
ハト派=平和的」という冷戦期の図式にとらわれイメージされているが、本来の保守主義は、
共産主義・社会主義の持つ狭量さと同様な攻撃性をもつものではなく、「余裕」[寛容]「品格」
を感じさせる奥行きを持つことが、理解できる。



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「 勇ましく 吠えるタカ派も 平和ボケ 」








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by yutorisuto | 2013-11-05 13:52 | 政治・社会
「連合赤軍あさま山荘事件」 佐々 淳行 著 1996.6.30 株式会社 文藝春秋


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同じ時代を生きたものとして、忘れられない大事件「あさま山荘」の攻防の記録である。
昭和44年2月19日から28日までの10日間、厳寒の軽井沢での攻防は、連日ニュース

報道や実況中継で国民の目をくぎ付けにした。

著者は参謀役として警備を実質的に指揮した警察幹部。
現在も高齢ながら危機管理の場面では、マスコミに登場する。

私たちの記憶には大きな鉄球がコンクリートの壁を打ち壊し、強力な放水車の活躍などが印象に残っているが、実際はこれらの大型の機械力ではとどめをさすことはできず、最終的には
機動隊の突入というマンパワーが事件を解決し人質を無事救出する様子が、よく描かれている。

死者3名、重軽症者27名の犠牲をだした大事件も記憶のかなたへ消えつつある。




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「 放水も 水が続かず あと人頼み 」




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by yutorisuto | 2013-05-16 12:48 | 政治・社会
「アメリカに潰された 政治家たち」 孫崎享 著 2012.9.29 株式会社 小学館


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著者は「駐ウズベキスタン大使」「国際情報局長」「駐イラン大使」を経て「防衛
大学校教授」を歴任した外務省キャリアである。

外交の裏の裏を知り尽くしているはずの著者に何があったのか、
日米関係におけるアメリカのという国家の策略を赤裸々に描いており
そのタブーであるはずの恐ろしい事実を暴露しているから、非常に興味深い。

著者は、鳩山一郎・石橋湛山・芦田均・重光葵・岸信介
左藤栄作・田中角栄・竹下登・梶山静六・橋本竜太郎・小沢一郎・鳩山由紀夫を、自主独立を目指した政治家と評価している。

彼らが自主独立の動きを見せたとたん、あるいは意に反して親中国の動きを見せたとたん
何らかの工作によって失脚させられたと述べている。

確かに彼らの「失脚」の経緯を見る限りうなずけるものもあり
折から「小沢一郎事件」が無罪となったことなどを考えると確かに一概に荒唐無稽な話と、切捨てるには重すぎる。


ぜひ一読の上、自分で考えてみてはいかがですか・・・・



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「 ポチになる 政治家だけが 生き残る 」




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by yutorisuto | 2013-05-10 15:21 | 政治・社会