日々読み続けるyutorisutoのひとりごと


by yutorisuto
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30

カテゴリ:時代小説( 8 )

「 背負い富士 」 山本一力著 2009.2.10 文春文庫



d0256668_12495694.jpg




「旅行けば 駿河の国は茶の香り・・・・」ご存知「広沢虎造」の浪花節の歌いだしである。

「清水の次郎長」は「国定忠治」とともに、かっては講談・浪曲・映画・演劇の世界の大ヒーローである。
特に次郎長は「さあ来いと富士を背中に背負って立つ、男の中の男一匹」「街道一の大親分」であり、多くの人の記憶の中には、大政・小政や森の石松に囲まれた大親分の姿が残っていると思うのですが、この本では明治26年まで生きた次郎長を見送った幼馴染の「音吉」の語る少年のころからの次郎長像が珍しい。

時代物・人情ものに優れた著者の語り口はよどみなく、読みやすく面白い作品に仕上がって
おり「次郎長」をあまり知らない若い人にも是非読んでほしいと思う。





本の森カフェ・読後川柳
「 茶の香り すれば口から 浪花節 」




ランキングに参加しています。
ポチっとしてもらえたら嬉しいです(・∀・)
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
[PR]
by yutorisuto | 2014-07-04 12:50 | 時代小説
「 黒衣の宰相 」 火坂雅志著 2004.8.10 文春文庫


d0256668_13355074.jpg




禅僧(京都南禅寺住職)でありながら、徳川家康の側近として、豊臣家滅亡の引き金をひいた「方広寺鐘銘事件」を画策し、「武家諸法度」「禁中並公家諸法度」などを起草し、江戸幕府300年の礎を気付いた「金地院崇伝」の一代記である。

天下の悪僧と言われながら、自分の生き方を貫いた「崇伝」には何か惹かれるものがあり、時代物の得意な著者の筆力もあって結構分厚い文庫本であるが、一気に読ませる面白さがある。
「秀吉」や「家康」などとの交わりも興味深いし、同じ時代に活躍した、僧侶どうしの「天海和尚」や「沢庵和尚」とのかかわりも、なかなか人間味が出ていて面白い。

優れた時代物であると思う。





本の森カフェ・読後川柳
「 悪僧も それほど心は 悪くない 」




ランキングに参加しています。
ポチっとしてもらえたら励みになります(・∀・)
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
[PR]
by yutorisuto | 2014-06-20 13:36 | 時代小説
「損料屋 喜八郎 始末控え」 山本 一力著 2000.6.10 ㈱文藝春秋社


d0256668_1321961.jpg



文句なしに面白い時代物である。
もうすでに14年前の作品であるが、時代物はやはり時間の流れにかかわらない。のちに直木賞受賞する作家の初の単行本。

「寛政」年間の江戸、智恵もあれば腕もたち、おまけに奉行所筆頭与力の後ろ盾もあるという粋な「商人・喜八郎」が、悪徳商人の「札差」の悪だくみを暴き、弱い立場の町人を助ける、
勧善懲悪の痛快時代劇である。
まだ元気のあったころの江戸の町人世界がいきいきと描かれていて、豪商たちや庶民の生活の
一端が垣間見えて興味深い。

4つのストーリーの連作で、一気に読ませる筆力はさすがである。
内容は読んでからのお楽しみということで・・・・・・・・・・



本の森カフェ・読後川柳
「 悪だくみ 暴いて見え切る 千両役者 」




ランキングに参加しています。
ポチっとしてもらえたら励みになります(・∀・)
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
[PR]
by yutorisuto | 2014-04-28 13:02 | 時代小説
「 海国記(上下) 」 服部 真澄 著2018.1.1 新潮文庫


d0256668_13213377.jpg




源平の争いに勝ち残った平氏三代(正盛・忠盛・清盛)は、西国からの「海の道」のもたらす
「利」を理解し、その財物を朝廷に献じることでその地位を上昇させてきた一族である。

国造りに隣の大国「宋」との交易による利益を最大に活用するために、清盛は神戸の福原に
都を移したほどである。

この著者の作品は女性には珍しく(失礼?)、いつも大きな構想で描かれている。
以前この欄で取り上げた「KATANA カタナ」はアメリカの銃規制ガテマであったが「海国紀」は、平氏3代の大きな時間の流れを大河と伏流水として、交互に描くことによってメリハリの利いた読み応えのある大河歴史小説を作り出している。

ただこの「海の道」のもたらす利で皇居や寺社を造営すると、関わった貴族や諸国の国主(受領)たちが潤った事が書かれているが、そこには当然あったと思われる搾取された庶民は出てこない。
その点が少し残念である。



本の森カフェ・読後川柳
「 海の道 極めた平氏 海に死す 」







お立ち寄りくださってありがとうございます。

ランキングに参加しています。
ポチっとしてもらえたら励みになります(・∀・)
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
[PR]
by yutorisuto | 2013-11-27 13:23 | 時代小説
「 プリンセス・トヨトミ」 万城目 学 著 2009.3.1 ㈱文藝春秋


d0256668_13354252.jpg




仰ぎ見る大阪城の天守閣、この城を作ったのは豊太閤「豊臣秀吉」ではなく、実は徳川三代
将軍・家光であったという。
その大阪が徳川幕府が倒れた明治維新の頃、維新の新政府との間で、「大阪国」独立の条約を締結した。大阪国の国会議事堂は天守閣の地下にひそかにおかれており、その出入り口のひとつが空堀商店街の裏通りの古びたビルにあり、地下道でつながっている。

大阪国の存在理由は唯一つ、徳川家からせん滅された豊臣家でひそかに生き残った子の子孫を守ること。
大阪国の維持経費は国庫から、特殊法人への交付金でまかなわれている。

何十年振りかで「特殊法人」への会計検査院の立ち入り検査が実施されることになたことから
事件が始まる。

豊臣家の末裔たるやんちゃな女子中学生が国(会計検査院)の指示で、警察に逮捕されたとの誤報から「大阪国」が立ち上がるシステムが作動した。
ひそかに父から子へと伝えられた大阪国の男子、150万人の男性があらかじめ定められた役割を果たすために立ち上がったのである。

結果は本を読んでいただくときのお楽しみに・・・・・
なお本作品は2011年5月に映画化され、全国公開されている。

[橋下通大阪市長]の「大阪都」構想はヒョットしたらこの作品にヒントを得たのでは・・・・・





本の森カフェ・読後川柳
「 大阪都 大阪国とは どうちがう? 」




ランキングに参加しています。
ポチっとよろしくお願いします(・∀・)
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
[PR]
by yutorisuto | 2013-06-19 13:27 | 時代小説
「新帝都物語 維新国生み篇」 荒俣 宏 著 2007.6.30  株式会社 角川書店


d0256668_10431678.jpg



幕末、維新戦争の真っ只中、
会津から函館五稜郭へと続く官軍と佐幕派・旧幕臣による表の戦いの裏で
「闇の帝国」を作ろうと企てる陰陽師の流れをくむ「魔人・加藤」と「国学者・平田篤胤」の娘とその夫を中心とする「平田学派」の血みどろの戦いが行われていた。
新撰組の生き残り「土方歳三」も巻き込まれて、魔人と生死をかけて戦うことになる。

幽冥界から甦った死者たちと神具を駆使しての戦いなど
舞台仕立てはおどろおろしい伝奇物語だが、表舞台の歴史と混ざり合って、不思議な世界を読者に提供している。

歴史好きにとっては馬鹿らしさの中に、妙に印象に残る作品である。



本の森カフェ・読後川柳
「 甦る 幽霊たちを また殺す 」





ランキングに参加しています。
ポチっとよろしくお願いします(・∀・)
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
[PR]
by yutorisuto | 2013-05-13 10:40 | 時代小説

河内源氏 元木泰雄著

「河内源氏」 元木泰雄著 中公新書 2012.9



1192年、源 頼朝が鎌倉に幕府を開き、武家政権を確立する。

系図によれば、清和天皇の孫に当たる「源 経基」を祖とする源氏の本流はその孫である「源 頼信」から始まる「河内源氏」であると言う。そしてその流れからは、後の武士の
世のヒーローとして活躍する、足利、新田、佐竹、武田、小笠原などの諸流を生み出す。
王権や院政、藤原摂関家に臣従し、その武力をもって、中央の騒乱や地方の叛乱の鎮圧に
次第に頭角を現し、もう一方の雄、「桓武平氏」とともに、武家政権の礎としての役割を
果たしていく「河内源氏」の7代200年の歩みを文献を基に解き明かしてくれる一冊で
ある。

歴史好きには非常に興味深い本ですが、歴史に精通している訳ではない私にとっては、
頼道、直方、頼信、頼義、義忠などと、名前が出てきても、それが藤原氏なのか、平家
なのか、源氏なのかさっぱり解らない。系図と首っききで読むのも面倒だし、正直な処。
理解しにくい箇所も結構あった。

大河ドラマ「平 清盛」に合わせて読む人にとっては、かなり興味深いかも・・・・・・



yutorisuto川柳
「 頼朝を 赦した平家 滅ぼされ 」


ランキングに参加しています。
ポチっとよろしくお願いします(・∀・)
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
[PR]
by yutorisuto | 2012-09-21 13:36 | 時代小説
親鸞 (上・下) 五木寛之



森のcafe・川柳
    「 真宗に至らぬ 親鸞 優しすぎ 」




 帯カバーに「全国27新聞に連載、二千四百万読者が熱狂した長編、ついに刊行」
とあったので大いに期待しながら読み始めた。

9歳で比叡山での仏門の修行を始め、幼年期の「日野忠則」から「範宴」「綽空」「善信」「親鸞」と名を変えながら成長し
師の「法然」と共に「念仏宗」弾圧により、罪を得て越後へ流されるところまでがエピソードをつないで描かれている。

今、日本で一番信者数の多い「浄土真宗」の創始者「親鸞」のもっと荒々しい生き方を期待していたのに全くの期待はずれ・・・・。
放埓の血筋と言いながら、優しすぎて頼りない「親鸞」では物足りない。

子供の頃、胸躍らせた歴史物の「豊臣秀吉」や「織田信長」の「大人バージョン」として楽しめるならオススメです。










ランキングに参加しています。
ポチっとよろしくお願いします(・∀・)
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村
[PR]
by yutorisuto | 2012-06-04 13:20 | 時代小説