日々読み続けるyutorisutoのひとりごと


by yutorisuto
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「狼は瞑らない」

「狼は瞑らない」 樋口 明雄 著 2003.11.18 ハルキ文庫

本の森カフェ・読後川柳
「 雪山に 洗われ人は 無垢になり 」


本書の「解説」によれば、「この作品は山岳冒険小説という巨峰に作者(樋口明雄)が
打ち込んだハーケン。それは確かな道しるべとなり、私たち読者を感動の頂点へと導いて
くれる」とある。

確かにかって「元警視庁警備部」のSPとして政治家の警護をしていて、いまは北アルプスと
立山連峰に挟まれた山岳地帯で遭難者を救助する山岳警備隊の隊員のもとに送り込まれた
暗殺者の集団とくれば、広大な山岳地帯を背景とするが、そこは限りなく閉ざされた世界で、
雨風に打たれ、雪崩に巻き込まれて滑落するなど、次から次へと危機が襲ってくる。
まさにハラハラドキドキの山岳冒険の世界である。

作者は南アルプスのふもとで、釣りと野良仕事のかたわら、冒険小説の執筆にいそしんで
いるという。羨ましいような環境だが、それだけに十分に練られた構想は雄大で、自然と
そこに引かれる人々を描いて大変興味深い作品に仕上がっている。
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by yutorisuto | 2016-09-14 13:01
「 原発ゼロで日本経済は再生する 」 吉原 毅 著 2014.4.10 角川oneテーマ21

今、各地の原発が再稼働を始めている。
「原発を止めると日本経済は大変なことになる」東日本大震災以降、原発を推進しようとする
推進派(政界、経済界、原子力学者などのいわゆる「原子力ムラ」)から大メディアを通して
声高に伝えられてきた。

この著者は原発関係者でも何でもない、東京の「城南信用金庫」の理事長でありながら、
脱原発を宣言した異色の金融機関のトップである。

「経営人なら分かる。原発は採算割れしていると!」

福島の事故後には、信用金庫店舗の照明をおとし、節電に努めるなど実践派であり、事故後
全ての原発が止まっているにも関わらず電力不足は起きていないし、日本人が持てる知識や
技術を再生エネルギーに注ぎこめば原発ゼロでやっていけるし、世界に販売することによって
日本経済の成長力になりうると説く。

なるほどとうなづける内容であり、推進派も反対派も是非一読をお勧めする。

本の森カフェ・読後川柳

「 汚染撒く 原発推進 金まみれ 」
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by yutorisuto | 2016-08-22 12:48

 糖質制限の真実

「 糖質制限の真実 」 山田 悟 著 2015.11.10 幻冬社新書

副題に「日本人を救う革命的食事法ロカボのすべて」とある。著者は北里研究所病院の糖尿病
センター長として、日々糖尿病患者と向き合う中で、食べる喜びが損なわれる糖尿病治療に
おいていかにQOL(生活の質)を上げていくかを追求し、糖質制限食に出逢い、2013年緩やか
な糖質制限食・ロカボの考え方を普及させるため「一般社団法人 食・楽・健康協会」を立ち
上げている。
本書では、
1.カロリー制限は意味がない
2.動物性の脂は脳卒中のリスクを減らす
3.本当に怖いのは食後高血糖
4.血糖値の激しい上下動が認知症リスクを高める
5.血糖値を上げるのは糖質だけ
6.糖化を防いでアンチエイジング
7.筋肉をキープし体脂肪だけが減るロカボ食
などについて、最新の栄養学の知識をもとに解き明かしている。

日本人の6人に一人が血糖異常者、40歳以上に限れば3人に一人と言われる糖尿病に悩む人に
とって、ひょっとして素晴らしい朗報であるかも知れない。

関心のある人はぜひ一読を・・・・・


本の森カフェ・読後川柳
「 ダイエット 本気でやるなら 糖質のオフ 」
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by yutorisuto | 2016-06-29 12:59
「 処刑室 」 ジョン・グリシャム 著 1995.2.25 株式会社新潮社

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1967年公民権運動推進派のユダヤ人弁護士の事務所に爆弾を仕掛け、弁護士に両足切断の重傷を負わせ、5歳の双子の息子たちを殺害した元KKK(クー・クラックス・クラン)の団員だった死刑囚に事件から20年たち、死刑執行の決定が下された。

20年にわたって繰り返された死刑執行延期のためのあらゆる法的手段がつきはて
執行は避けられない情勢で、執行日まであと4週間を残すのみになった。
この段階に至って、一人の新米弁護士が立ち上がった。
26歳の彼は実はこの69歳の死刑囚の実の孫であった。

物語はこの4週間、弁護士がとる法的手段と死刑囚の様子、刑務所・死刑囚舎房と囚人たちの
様子を克明に描いてゆく。

はたして死刑の執行はとめられるのか、については読んだ後のお楽しみにしておくが、当時のアメリカの刑務所や死刑囚の日常、アメリカの裁判制度や死刑制度、時代遅れのガス室での
死刑執行の方法まで克明に描かれていて興味深い。

克明なはずで、作者は弁護士出身で[法律事務所」「ペリカン文書」「依頼人」など、法律関係の作品で評価の高い人気作家なのだから。



本の森カフェ・読後川柳
「 死刑囚 何を考え その日待つ 」


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by yutorisuto | 2015-06-30 15:35
「キレイゴトぬきの農業論」久松 達夫著 2013.9.20 新潮新書

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29歳で農業へ転身した著者は年間50品目以上の有機野菜を栽培し、会員と東京都内の飲食店に直接販売する。
うまい野菜の条件としては①時期(旬)②品種③鮮度だと考えている。
日本の能雹に関する議論は誤解に基づき、神話に満ちている。誤解1.有機農法なら安全で美味しい
2.農家は清貧な弱者である。3.農業には体力が必要である。

安全と安心は違うと説く著者は、「有機だから安全」はウソだという。
どの程度安全かといえば、適正に農薬を使った普通の農作物と同程度に安全であるそうだ。「有機だからうまい」というのも神話に過ぎない。
安全は客観的なものであり、安心は主観的なもので、別な概念である。

斜陽といわれて久しい日本の農業だが、「人と土地の流動化」によって自由な競争環境を作れば新規参入や新しい取り組みが増え農業はもっと強くなると本書は説いている。
「こんな面白い農業なのに、どうしてみんなやらないのだろう」久松農園の女性農場長のセリフである。
彼女は農業キャリア1年半の小柄でかわいらしい女性だそうである。

著者は「エロうまい野菜」作りを目指しているそうである。
その心は本を読んでください。



本の森カフェ・読後川柳
「 エロうまい 野菜は作る 好き嫌い 」





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by yutorisuto | 2014-08-15 15:29
「インパラの朝」(ユーラシア・アフリカ大陸684日)中村安希著 2009.11.18 ㈱集英社



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第7回開高健ノンフィクション賞受賞作。
26歳のうら若き女性が3年間働いて貯めた160万円を用意して2年間47カ国をめぐる旅にでる。行く手は貧困と紛争、汚染や疫病、腐敗した政治とテロ、「危ない」世界である。本書の章の切れ目ごとに地図上に行程をなぞってあるが、とてつもない旅程である。
文字通り、危険と背中合わせの無鉄砲さである。よくこんな旅ができたものだと感心させられる。しかも言葉も通じない、人々の間に入っても心を通じ合って前へ進んでいく。
そのほとんどは貧しい地域、人々である。先進国、富裕国からの身勝手な国際援助やボランチィアの在り方にも疑問を感じ、単なるお金や物のやり取りではない人々との心のふれあいの大切さを感じ、訴えている部分が読む者の心にしみこんでくる。

ケニアの草原で、朝日を身体いっぱいに受けて一人、すっくとたたずむ気高く、誇り高いたたずまいのインパラにアフリカ人の誇りを象徴的にみている。
、インパラはアフリカのサバンナに生息するカモシカに似た動物で、走る時は走行速度は時速60キロメートルに達し、跳躍は高さ3メートル、幅10メートルに達する。

帯カバーに作者の写真があるが、きりっとした、なかなかの美人である。





本の森カフェ・読後川柳
「 朝日浴び 貧しさ蹴飛ばす 誇りかな 」





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by yutorisuto | 2014-07-31 15:26
「 重力ピエロ 」 伊坂 幸太郎著 2003.4.20 株式会社新潮社


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「本当に深刻なことは陽気に伝えるべきなんだよ」
「ピエロは重力を忘れさせるために、メイクをし、玉に乗り、空中ブランコで優雅に空を飛び、時には不格好に転ぶ。何かを忘れさせるためにだ」

作品の中のセリフである。

40歳を過ぎたばかりの若い著者は、結構深刻なテーマをミステリー仕立ての軽妙なタッチで飽きさせない。
深刻なのは弟のほうが母親がレイプされた時の子であり、兄のほうの父親がガンに侵され死期が目前であることだ。

父親の違う若い兄弟と父親が、連続放火事件とその近くに残された落書き(グラフィックアート)の謎を追う。

ピエロがどうかかわるのかは、読んだ後のお楽しみということにするが、文章も読みやすく、一気に読ませる面白い小説に仕上がっている。




本の森カフェ・読後川柳
「 重力を 失うピエロ どこへ飛ぶ 」




miesicaa追記
この小説って映画にもなっていたみたい。

重めストーリーにピエロってところに惹かれる・・。

よし、久しぶりに小説読んでみよ!
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by yutorisuto | 2014-05-28 13:31
「保険会社が知られたくない生保の話」 後藤 亨著 2013.10.8 日本経済新聞出版社


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この著者はかつて「日本生命」の営業職であり、その後複数の保険会社の保険を扱う乗り合い
代理店をへて、今は保険の有料相談、講演、執筆活動をしている方のようです。
以前の同趣旨の著作からは、内容を少しエスカレートさせてものになっているようです。

「保険嫌いは意外に正しい」、この本は「保険ビンボーにならないための具体的ノウハウを徹底
解説」したものという触れ込みである。

著者によれば「保険は99%が外れる宝くじ」であるという。たしかに100%にちかい当たりの出る宝くじなら保険料は貰える保険金より少なくなるでしょう。その意味で、当たりの多い保険(たとえば日帰り入院の保障など支払項目が多く、何があっても安心という保険)は、保険としてはあまり特にならないということのようです。
いわく「よくわからない話には近づかないことにして、保険活用は必要最小限にとどめる」のが、正しい保険だと言うことのようです。

確かに、自動車保険や火災保険のように万が一の場合には、自分の蓄えでは賄いきれない出費
に備えるのが本来の保険だという点では、全くその通りでしょう。
今の保険業界では損得の話だけが語られて、保険本来の「相互扶助」という目的から逸脱している向きもあるようです。

内容的には少し曖昧な部分もあるが、そんな風潮に警鐘を鳴らす一冊ではあるでしょう




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「 損得で 選ぶな保険は 逆宝くじ 」




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by yutorisuto | 2014-05-01 13:50
「炎環(えんかん)」  永井 路子著 2012.6.10 文春文庫


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作者が昭和40年春の第52回直木賞をとった受賞作の文庫版である。
受賞から」でもすでに49年を経ている。しかし時代物の利点で、今読んでも古めかしさは全くない。4編の連作は「それぞれ長編の一章でもなく、独立した短編でもありません。
一台の馬車につけられた数頭の馬が、思い思いの方向に車を引張ろうとするように、一人一人が主役のつもりでひしめき合い傷つけあううちに、いつの間にか流れが変えられてゆくーーーそうした歴史というものを描くためのひとつの試みとしてこんな形をとってみました」と著者は述べている。

四編は「義経を絡ませた源頼朝とその弟,阿野禅師・全成(義経の兄・幼名今若)」「鎌倉幕府創成期における梶原景時の生きざま」「全成の妻・保子(頼朝の妻・政子の妹)の心のひだ」
「北条四郎(時政の子)の権力への道」を描いて、それぞれが独立した時間も前後する物語でありながら、どこかでつながり、大きな歴史の中で武家の世の流れに合流していく。

時間の流れが前後し、少し混乱しつつも歴史の面白さを感じさせてくれるおもしろい作品。





本の森カフェ・読後川柳
「 それぞれが 勝手に生きて 流れ合流 」






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by yutorisuto | 2014-04-14 13:27

「小さな会社のためのお金の参考書」垣畑 光哉著 2013.11.25  ㈱幻冬舎


表紙には「専門家20人のコンサルティングを3時間で学べる経営のヒント」のキャッチコピーが
踊る。
著者のまえがきによれば、その専門家とは「経営課題に対して様々なソリューションを提供する、税理士、公認会計士、司法書士、弁護士、社会保険労務士など士業と呼ばれる専門家達であり、さらには各分野の経営コンサルタント、やファイナンシャルプランナー、保険代理店などもその一翼を担っている」この本は「必要な時に必要な情報が気軽に得られる「社長の参考書」のような本があればいいと思って企画されたものだということです。

さらに「本書では詳しく掘り下げた情報は専門書や専門家のコンサルティングに譲り、各テーマをなるべく平易にわかりやすく、また要点だけに絞って気づきを提供できるよう留意」とあり「これまでどこかで耳にしたことがある一般的なテーマも多いかも知れません」と著者自らも書いているように、少し知識がある経営者なら「そんなことは知ってるよ!」っていうレベルの内容でしかない。

もちろん知識のない人にとっては「こんなこともあるんだ」という気づきにはなるし、浅くても幅広い知識(用語の意味程度の・・)の習得には役立つかも・・・・




本の森カフェ・読後川柳
「 専門家 といってもいろいろ バカもいる? 」




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by yutorisuto | 2014-04-10 12:58